転職は新卒として仕事を探すときとは異なり、中途採用枠を狙うことになる。新卒枠との違いを理解していなかったのが転職がうまくいかない理由である場合も少なくない。新卒の場合、通常は職歴を持っていないのでポテンシャル採用になる。業界で働くための最低限の知識を持っていて、性格的に受け入れることができ、有望さが垣間見られるかどうかが重要視されている傾向にある。その観点から優秀と判断されて就職活動に成功してきた人でも、転職活動には失敗することは珍しくない。

中途採用枠ではポテンシャル採用ということはあまり多くはなく、業界によってどのような観点で採用をしているかは大きく異なっている。多くの業界では実務面で即戦力となる人材を求めているが、その実務についても個々の会社で必要とされている内容には違いがある。求人を出している会社がどのような能力のある人材を求めているかを分析して、自分の希望と合致していることを確認するのが成功につながる。

業界全体としての傾向を知ることも大切であり、転職者を受け入れるときにはどの程度の経験を求めているかを把握することは欠かせない。それに応じて業界内の転職であれば転職時期を見極めることができ、業界外からの場合には求人に応募する前に、行わなければならないキャリア構築について考えることができる。業界によってはポテンシャル採用を積極的に行っているが、人材不足の業界に限られているため、基本的には実務力が必要と肝に銘じなければならない。もしも転職が上手くいかないのであれば、なかなか仕事が決まらない理由を探り、自分自身の転職活動の方法を見直してみることも大切である。